日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.49,No.9 (2021)

表題:
micro-Drop接種法を用いたバイオバーデン試験における回収率の評価法の構築(原著論文)
著者:
福山貞伸,武川哲也,越川富比古((株)コーガアイソトープ 滅菌研究センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.49,No.9,pp.423−429(2021)

無菌ヘルスケア製品の製造において,製品上の微生物を評価するためにバイオバーデン試験を実施する。その際,その試験法に対してバリデーションを実施することが求められており,その結果は回収率として表されている。したがって,回収率の向上は,バイオバーデン試験の品質向上につながり,高品質な無菌ヘルスケア製品の製造に寄与することにつながる。回収率は,主に製品に付着した微生物を回収する効率に影響されるため,高い回収率を得るためには,製品と微生物の吸着相互作用を考慮し,適切な回収処理条件を選択する必要があるが,時間と労力を要するため,検討試験が実施されないことが多い。そこで,簡便かつ迅速な検討方法として,従来の微生物接種法を応用したmicro-Drop接種法を考案した。本方法は,1つの製品に1つの芽胞を接種することを目標とし,個々の芽胞の回収効率を評価することで回収率を算出する。本研究では,micro-Drop接種法が従来の試験と同等であることを示すと同時に,迅速に安定した回収率が得られることを明らかにした。また,製品と微生物の吸着相互作用について考察した。

Key words:
Microbial inoculation method(微生物接種法)/micro-Drop inoculation method(micro-Drop接種法)/Bioburden recovery efficiency(回収率)/Langmuir adsorption model(ラングミュア吸着モデル)/Bacterial adhesion(微生物吸着).