日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.47,No.11 (2019)

表題:
ここまできている微生物試験迅速化技術
[2]ATP生物発光法を用いた微生物の迅速検出
著者:
福薗真一,越 裕之((株)日立ハイテクソリューションズ),野田英之,石丸真子,久松光湖((株)日立製作所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.47,No.11,pp.493−499(2019)

ATP生物発光法を利用した微生物迅速検査法として,微生物1個に含まれる10−18molという極めて少量のアデノシン三リン酸を測定することで,微生物の有無を検出する方法が提案されている。現在広く用いられている寒天培養法とは異なり,培養なしで測定することで最速1時間の迅速性を達成している。医薬品製造に使用される水は微生物検査が義務付けられており従来の培養法では7日間要していたが,1時間に短縮することが可能になる。これにより,製薬用水設備の立上げ期間短縮による医薬品生産設備の稼働率向上や異常時における影響範囲の最小化と早期原因特定が可能になる。また,医薬品製造工程に適用することにより,医薬品製造のリスク管理と品質向上に寄与すると考えられる。また,抗菌試験などへ応用することで開発スピードアップや省力化が期待できる。

Key words:
Bioluminescence(生物発光)/Rapid Microbiological Method:RMM(微生物迅速法)/Adenosine triphosphate:ATP(アデノシン三リン酸).