日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.5 (2014)

表題:
産業へのオゾンの利用技術[11] 負イオンとオゾンの併用による食品の殺菌
著者:
谷村泰宏(三菱電機(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.5,pp.261-267(2014)

負イオンが有する食品そのものを変色・変質させない特徴と,オゾンが有する高い殺菌効果を両立させることを狙って,低濃度のオゾンに負イオンを併用した混合ガスによる殺菌技術を開発した。コロナ放電を利用して,空気中において負イオンとオゾンを同時に発生する方式を開発し,負イオンとオゾンの混合ガスによる殺菌特性(細菌類,真菌類,ファージなど)を明確にした。また,生鮮食品(果実,野菜など)を対象とした食品保存効果を明らかにすると共に,負イオンとオゾンの混合ガスにより食品の品質が影響を受けないことを明らかにした。更に,食品保存庫内の床面に付着した細菌に対して,タンパク質などの殺菌妨害物質が存在している状態においても,付着した細菌類を殺菌できることを明らかにした。これらの結果を総合的に用いて,2坪の冷温高湿庫の製品化を実現し,負イオンとオゾンの混合ガスによる殺菌技術の食品産業への実用を行った。

Key words:
Ozone/Negative air ion/Combination effect/ Food sterilization.