日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.54,No.1 (2026)

表題:
薬剤耐性(AMR)対策-最新情報をふまえて-
[7]真菌感染症分野での薬剤耐性の現状(2025年)
著者:
伴さやか(千葉大学真菌医学研究センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.54,No.1,pp.31−40(2026)

本稿では現時点で発生が報告されている,いくつかの代表的な薬剤耐性の真菌種とその分子メカニズム,並びに新興真菌症の問題について概論をまとめた。ヒト真菌症の薬剤は,標的を大別して3クラスしか存在せず,自然耐性,獲得耐性を有する菌種/菌株の出現は,他の微生物よりも一層深刻な状況に陥りやすい。主に,Aspergillusにおけるアゾール系薬剤耐性の増加,カンジダ症においては,Candida non-albicansの菌種における感受性の低下,すべての抗真菌剤が効かないCandidozyma aurisの系統,白癬菌種でのテルフィナフィン,アゾール低感受性株の世界的な拡大がトレンドとなっている。耐性機序の分子基盤の解明とともに,迅速診断法および新規抗真菌薬の開発を両輪として進めることが,真菌感染症対策の鍵となるだろう。

Key words:
Azole-resistant Aspergillus fumigatus(アゾール耐性アスペルギルス)/Drug resistance(薬剤耐性)/Medical fungi(病原真菌)/New antifungal agents(新規抗真菌剤)/Terbinafine-resistant Trichophyton spp.(テルビナフィン耐性白癬菌).