日本防菌防黴学会

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ご挨拶

アカデミアとインダストリの密なる連繋による学会の持続的発展に向けて
-会長就任にあたって-

Sustainable development of the society through close cooperation between academia and industry
― Message from the new president ―

昨年来のコロナ禍が世界中でいまなおつづく中、会員のみなさまにおかれましては大変な社会生活・市民生活を余儀なくされておられることと拝察します。いわゆる三密を守っての非日常の世界では、政治・経済・社会のさまざまな活動や機能が滞りがちで学会も同様ですが、この忍耐の間は持続できるだけでもありがたいことかもしれません。さて、このような世情ではありますが、このたび本学会会長の大役を仰せつかりました。つきましては、一言ご挨拶と抱負を述べさせていただきます。

1973年に防菌防黴研究会として設立されて、その2年後に現在の名称となった日本防菌防黴学会は、今年で48年目、まもなく半世紀を迎えようとしています。これまで先人の努力と会員のみなさまのご協力によって多くの事業が進められ、今日の成果がもたらされました。しかしその一方では、次なる飛躍の時代にはそぐわない現状も散見され、それらの課題の解決と変革が必要と思われます。この節目を目前にして、学会のこれまでの来し方を振り返り、これからの行く末をどう歩むのかについて、省察・展望し、今後のさらなる発展の礎を築くべきときに来ています。

防菌防黴はその言葉が示すように微生物を対象とするテクノロジーといえます。それが医薬・医療、食品、諸環境、化粧品、工業製品、繊維、木材、諸産業関連、日常的な家庭関連などさまざまな分野に活かされ、多様な場面で役立てられていることは周知のとおりです。このユニークな学際分野を担う本学会は、会員の約3割にあたる大学・官公庁研究機関などのアカデミアと残りの大部を占める、インダストリをはじめ医療、環境など上記応用領域の関係者との、一大連繋共生体といえるでしょう。その特性(顕在的・潜在的ともに)を生かし、サイエンスのさらなる進歩とテクノロジーの一層の展開を図り、協働的に未来社会における役割を果たしたいものです。

その目標に向けて小職は、双方の連繋を密にし、この忍耐の時期後の学会の新時代に持続的な発展が可能となるよう、新しいミッションのもと積極的、建設的な方策によって学会のクォリティ(内実性)の向上に取り組みたいと考えております。その対象は、学会の運営・組織・機関学術誌・企画に及びますが、加えて国際化・人材の発掘・育成・登用や総合共同研究プロジェクトなどの新機軸の可能性にもチャレンジできればと思っています。そしてそれらにもまして、節目の重大行事である創立50周年記念事業にも精一杯力を注ぐ所存です。

本学会が担う微生物制御や防菌防黴の分野はとかく個別化されがちで、異業種交流やシステム化も展開しづらい傾向があるように感じます。また、他の学会に比べて確固たる人材養成や基礎・応用研究の体系的な組織基盤がないため、それぞれの場で科学の伝承や技術の継承が脈流となりにくい面も否めません。しかし、それでもいろいろな意味で多様性に富む本学会の特徴を活かすことによって、多次元的かつ自在的なインダストリとアカデミアとの有機的な連繋を図るポテンシャルは高いと推察されます。会員のみなさまには、本学会が日本の科学技術の一翼を担ってその役割を果たすべく持続的に発展するために、また会員のみなさまにとってもより魅力のある学会に成長できるように、ぜひともこれまでにもましてのご協力とご支援を心よりお願いいたします。

日本防菌防黴学会 会長 土戸 哲明(大阪府立大学)