日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English

日本防菌防黴学会誌

Vol.52,No.4 (2024)

表題:
歯科医療分野における微生物制御
[1]開講にあたって
著者:
中村圭祐(東北大学 大学院歯学研究科 先端フリーラジカル制御学共同研究講座)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.52,No.4,pp.169−171(2024)

齲蝕(虫歯)や歯周病に代表される歯科疾患の多くは,口腔細菌によって引き起こされる。口腔には,口腔粘膜,舌,歯肉,歯といった細菌が定着可能な組織がある。特に,硬組織である歯の表面は,皮膚や粘膜と異なって非剥離表面であるため,バイオフィルム(デンタルプラーク)が形成されやすく,このバイオフィルムが歯科疾患の原因となる。従って,除菌,殺菌,静菌といった微生物制御技術は,歯科医療分野においては必須な技術である。本講座では,口腔細菌に関する基礎知識から各種歯科疾患の発症における口腔細菌の役割,そして口腔微生物制御の新しい技術など多岐にわたるテーマを各分野の専門の先生方に解説していただく。様々な分野で微生物制御を研究されている日本防菌防黴学会会員の皆様の知識や技術を,歯科医学の分野へ応用して頂くための基盤となる情報を提供できればと考えて本講座を企画した。本講座がきっかけとなり,異分野融合による新しい医療技術の創出につながれば幸いである。

Key words:
Dentistry/Dental plaque/Microbial biofilm/Dental diseases/Opening remarks.