日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.52,No.2 (2024)

表題:
負イオンオゾン発生装置によるインフルエンザウイルス不活化効果の検討(短報)
著者:
野村亜加音,清水彰則,弓削政郎(三菱電機(株) 先端技術総合研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.52,No.2,pp.43−46(2024)

プラズマ放電により生成するイオンが殺菌・ウイルス不活化することが報告され,市販の家庭用電気製品にも広く利用されている。我々は,イオンと環境基準(0.05ppm)以下のオゾンガスを併用することによる,高速殺菌・ウイルス不活化処理技術を開発している。本研究では,細菌やウイルスの殺菌・不活化を目的とする負イオンオゾン発生装置を用い,開放系でのインフルエンザウイルス感染価低下効果について検討した。その結果,発生装置から1.7m離れた平板上に接種した供試ウイルスの感染価を,負イオンおよびオゾンで60分間処理することで,処理前に対して99.8%,さらに送風処理60分と比較して99.1%減少させる効果を確認した。本研究で使用した負イオンオゾン発生装置は,新型コロナウイルスのパンデミックの終息により経済活動が回復,人同士の接触が増える環境下でのオフィス環境やその他の環境での飛沫感染・接触感染対策に応用が可能であると考えられる。

Key words:
The negative ions and ozone generation device(負イオンオゾン発生装置)/Influenza A virus H1N1(インフルエンザウイルス)/Virus titer reduction(ウイルス感染価低下)/Inactivating effect(不活化効果).