日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.52,No.1 (2024)

表題:
足白癬感染防御のために抗真菌活性を持続化した安全なアロマインソールの基礎的研究(原著論文)
著者:
石島早苗(帝京大学・医真菌研究センター),比留間政太郎(比留間医院),大島浩智,鈴木 修,村井 隆((株)村井),笠井庄治(東邦レマック(株)),江澤邦夫((株)もんじゅ),関水和久,安部 茂(帝京大学・薬学部・カイコ創薬学研究室)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.52,No.1,pp.3−12(2024)

足白癬患者の国内患者数は1500万人に達すると推定される。本研究は,環境からの再感染を防止する目的で精油の蒸気で靴内除菌する方法を検討した。シトラールとペリルアルデヒドの複合体であるペリシトールは気体で抗真菌活性を有するが,それをインソールに実用的に用いるために,1)インソールの抗真菌活性持続時間を保つ,2)インソールとしての安全性の確保を必要条件と考え検討した。抗真菌活性の持続には,屑革をラテックスで繋いだ素材を用いると徐放性が得られると判断した。安全性を考慮して濃度は国際香粧品香料協会の基準により定めた。試作した抗菌インソールを皮膚科専門医指導のもとで,約4週間の継続使用し評価した結果,炎症などの諸症状は全く出ず,参加者アンケートでは,インソールによる爽快感および消臭効果が得られることがわかった。

Key words:
Tinea pedis(足白癬)/Aromatic insole(アロマインソール)/Sustained antifungal activity(抗真菌活性の持続化)/Pericitol(ペリシトール)/Essential oil(精油).