日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.51,No.11 (2023)

表題:
食品の微生物危害要因と対策
[7]冷凍食品における品質劣化と微生物汚染
著者:
岡崎貴世(四国大学 生活科学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.51,No.11,pp.633−640(2023)

冷凍食品は,前処理,凍結,貯蔵,解凍の各段階で適切な管理が行われることで品質が確保され,このうち1段階でも不適切な取り扱いがあると品質は劣悪となり,場合によっては食中毒を引き起こすことがある。冷凍食品の品質劣化について,凍結方法(急速凍結と緩慢凍結)の違い,凍結貯蔵食品中の細菌数の変化,解凍方法について説明する。また冷凍食品で特に注意が必要と考えられるヒスタミン食中毒とリステリア食中毒を取り上げた。食中毒予防には,いずれも菌を増殖させない徹底した温度管理が求められる。さらに冷凍食品以外の冷凍・流通している食品である「そうざい半製品」の食中毒事例を紹介し,商品の利用方法について考察する。最後に,家庭においてホームフリージングする場合の注意点を説明し,市販冷凍食品を含む冷凍の食品の安全で適切な利用法を考える。

Key words:
Frozen food(冷凍食品)/Frozen storage(凍結保存)/Thawing(解凍)/Quality deterioration(品質劣 化)/Microbial contamination(微生物汚染).