日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.51,No.9 (2023)

表題:
芳香消臭剤を用いたトイレ模擬空間の床素材に対する抗菌性能評価法の構築(原著論文)
著者:
石渡美紗樹,森永真衣,村木 毅(小林製薬(株)・日用品事業部),鳥井一宏,五味満裕(小林製薬(株)・中央研究所・基盤研究部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.51,No.9,pp.539−547(2023)

新型コロナウイルス感染症の感染拡大前後でトイレの掃除頻度が増えている一方で,トイレの床の掃除頻度の少ない家庭が多いことが明らかとなっている。床の掃除は手間がかかるため,揮発性の抗菌性能を持つ芳香消臭剤を用いることは洗うことのできない床で増殖する菌への対処方法の1つとなる。抗菌性能を評価する一般的な方法としては比較的小さな密閉空間を用いることが多い。本研究では,日本の一般家庭のトイレを調査し,容積が約2,500 L,換気回数が1時間で約9回のトイレ模擬空間を設定した。この模擬空間を用いて構築した芳香消臭剤の抗菌性能評価法では,試験ばらつきがなく経時的な抗菌効果の有無を評価し得ることを確認した。今回構築した評価法を基に,生活環境の変化に合わせて適切な評価指針を定め,芳香消臭剤を評価してくことで消費者が安心できる製品価値を提供することに繋がるだろう。

Key words:
Bacterial growth prevention(細菌増殖抑制)/Spatial Volume(空間容積)/Ventilation(換気)/Fragrance component concentration(香気成分濃度)/Volatilization time(揮散時間).