日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.50,No.12 (2022)

表題:
Biocontrol Science Vol.27 No.2 和文解説 ビブリオ・バルニフィカスに対するポリミキシンB及びLL-37のフラジェリン発現阻害効果
著者:
三好伸一,熊谷美香,谷田遼介,惣田康平,吉本ゆり,水野 環(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 薬学系 衛生微生物化学分野)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.12,pp.545(2022)

本研究では,ビブリオ・バルニフィカスに最小発育阻止濃度未満の抗菌ペプチド(AMPs)を作用させた。細菌由来のAMPであるポリミキシンBを作用させた細菌細胞から,外膜タンパク質を調製し,そのプロファイルの変化を解析したところ,極鞭毛の鞭毛繊維を構成するフラジェリンの減少が示された。さらには,鞭毛運動の低下,フラジェリン遺伝子の発現量の減少も確認された。一方,ヒト腸管由来のAMPであるLL-37,及びその断片についてもフラジェリン遺伝子の発現低下が示された。以上の結果は,低濃度AMPsが,フラジェリンの発現を抑制することにより,ビブリオ・バルニフィカスの運動性を低下させることを示唆している。

Key words:
ビブリオ・バルニフィカス/抗菌ペプチド/フラジェリン.