日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.50,No.12 (2022)

表題:
環境衛生のバリデーション
[4]不織布を使用したシートタイプ化粧品の微生物汚染対策の現状とこれからの展望
著者:
菅 卓弥((株)カナエテクノス)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.12,pp.529−535(2022)

不織布を使用したウェットティッシュ及びウェットフェイシャルマスクが化粧品として誕生してから凡そ40年になるが,それらの化粧品はその特徴的な機能により,種類や数は年々増加しており,化粧品におけるシートタイプ化粧品の存在は確固たるものになってきている。近年では安全性の観点より,パラベン等の防腐剤を含まない防腐剤フリーの製品が消費者に求められており,国際的にも防腐剤に対する規制が厳しくなっている。また,特にウェットフェイシャルマスクにおいてはこれまでの1包装1枚のスペシャルケアを訴求した製品から1包装多枚数のデイリーユースを訴求した製品が発売されており,製品の微生物汚染のリスクはますます増大していると言える。シートタイプ化粧品はその微生物管理において,不織布及びその製品特性により,従来の液体化粧品とは異なる特徴を有している。その特徴について①製品構成,②製造方式,③二次汚染のリスク,④試験方法の観点から,弊社の経験も交えながらその詳細を説明する。

Key words:
シートタイプ化粧品/不織布/微生物管理.