日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.50,No.12 (2022)

表題:
口腔由来乳酸菌がマウス歯肉上皮細胞のタイトジャンクションに与える影響(原著論文)
著者:
首藤崇裕(広島大学大学院 医系科学研究科 口腔生物工学,大阪歯科大学 医療保健学部 口腔工学科),峯 裕一(広島大学大学院 医系科学研究科 口腔生物工学,広島大学大学院 医系科学研究科 医療システム工学),津山麻衣,伊東 黎,田地 豪,二川浩樹(広島大学大学院 医系科学研究科 口腔生物工学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.12,pp.515−520(2022)

本研究では,う蝕罹患歴のない被験者から分離した口腔由来乳酸菌の溶菌液が,マウス歯肉上皮細胞におけるタイトジャンクションの機能におよぼす影響を検討した。マウス歯肉上皮細胞であるGE1細胞を,Lacticaseibacillus rhamnosus KO1,L. rhamnosus L8020,L. casei YU3およびL. paracasei YU4の溶菌液で処理した。経上皮電気抵抗を測定した結果,L. rhamnosus KO1を除くすべての菌株がタイトジャンクションバリア機能を有意に向上させることが明らかとなった。また,タイトジャンクションに関連するタンパクの遺伝子発現を促進したが,その効果は菌株により異なっていた。本研究よりL. rhamnosus L8020,L. casei YU3およびL. paracasei YU4は,歯肉上皮細胞のタイトジャンクション関連分子の発現を促進することにより,タイトジャンクション機能を高めることが示唆された。

Key words:
Probiotics(プロバイオティクス)/Tight junction(タイトジャンクション)/Lactic acid bacteria(乳酸菌)/Gingival epithelial cells(歯肉上皮細胞).