日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.50,No.12 (2022)

表題:
誤嚥性肺炎の予防を目的とした要介護度と麻痺の有無における細菌学的検討(原著論文)
著者:
有光史織(文京学院大学大学院 保健医療科学研究科),眞野容子,古谷信彦(文京学院大学大学院 保健医療科学研究科,文京学院大学 保健医療技術学部 臨床検査学科),神作一実(文京学院大学大学院 保健医療科学研究科,文京学院大学 保健医療技術学部 作業療法学科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.12,pp.501−505(2022)

肺炎の死亡率は高齢者に多くそのうち7割以上が誤嚥性肺炎とされており,予防に口腔ケアが重要とされている。また,誤嚥性肺炎は脳卒中の後遺症によって引き起こされていると示唆されている。また要介護度別にみた介護が必要となった主な原因においても,脳血管疾患は要介護1~3の第2位,要介護4~5の第1位とされている。しかし脳卒中をはじめとした脳血管疾患と誤嚥性肺炎について細菌学的検討を行っている報告は少ない。そこで本研究では市販洗口剤による口腔ケアが誤嚥性肺炎の予防につながるか検討を行う前段階を目的に,高齢者の唾液中の口腔内微生物についての検証をした。また誤嚥性肺炎を引き起こす嚥下障害,介護が必要となった原因疾患の多くに脳血管疾患が挙げられることから,誤嚥を起こしやすい麻痺を有する人における口腔内微生物についての検証を行った。

Key words:
Aspiration pneumonitis(誤嚥性肺炎)/Oral care(口腔ケア)/Pneumonia prevention(肺炎予防)/Paralysis(麻痺)/Nursing care level(要介護度).