日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English

日本防菌防黴学会誌

Vol.50,No.9 (2022)

表題:
総合防除(IPM)の歩みと今後の展望
−生活環境と製造環境の分野を中心として−
著者:
安部八洲男(防疫薬総合管理研究会/(元)大阪青山大学健康科学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.9,pp.367−381(2022)

総合的有害生物管理(IPM)の考え方が生まれた歴史的背景について述べた。そして,IPMの考え方(定義,基本理念,骨子)について説明した。IPMは「あらゆる適切な防除手段を相互に矛盾しない形で使用して」とある。「化学的防除」,「機械的・物理的防除」,「生物的防除」,「生態的・環境的防除」について説明し,「防除手段のピラミッド」の考え方について述べた。IPMを実施する際の手順について説明した。さらに,ゴキブリ防除のIPM,都市部の蚊のIPM,牛舎のハエのIPMの具体例について説明した。IPMを実施する際に,防除を実施するか,防除は実施せずに,このままモニタリング(監視)を続けるのか,防除は成功したのか等を判断する時に,被害許容水準に基づいて判断する。この被害許容水準について説明した。最後に,IPMの現状と難点について考え,今後の展望について解説した。

Key words:
Integrated Pest Management(IPM,総合的有害生物管理)/Pesticide registance(薬剤抵抗性)/Acceptable injury level(被害許容水準)/Pest control operator(PCO,害虫防除業者)/Pesticide residue(農薬残留)/Economic injury level(経済的被害許容水準).