日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.50,No.8 (2022)

表題:
Biocontrol Science Vol.27 No.1 和文解説
キャビテーション高電圧パルス放電プラズマが示す放射線耐性細菌を含む水混入微生物に対する殺滅効果
著者:
寺東宏明(岡山大学自然生命科学研究支援センター),德山由佳(佐賀大学総合分析実験センター),西山博稀,松永貴志,吉田祐紀,猪原 哲(佐賀大学大学院工学系研究科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.8,pp.347−348(2022)

微生物が混入した産業廃水の浄化に対して,筆者らはキャビテーションを用いた高電圧パルス放電プラズマの適用を提案している。筆者らはこの手法で大腸菌を効果的に殺滅できることを報告しており,この手法の適用範囲の拡大を図るため,枯草菌,放射線耐性細菌,分裂酵母に対する殺滅効果を検討した。これらの微生物細胞を放電プラズマで処理し,細胞生存率,DNA損傷,形態変化を評価した。その結果,大腸菌と放射線耐性細菌が放電プラズマに対して比較的高い感受性を示した。一方,胞子形成を示す枯草菌と分裂酵母は放電プラズマに対する抵抗性を示した。処理細胞のDNA損傷量は細胞生存率に対応したが,形態的な変化を示さなかったことから,放電プラズマの殺滅機構はDNA損傷を介したものであると考えられた。

Key words:
Plasma/Pulsed discharge/Sterilization.