日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.50,No.6 (2022)

表題:
DEAMをカチオン性モノマーとした機能性ポリマーのアカントアメーバに対する抗アメーバ効果(原著論文)
著者:
牛島あかね,惠良真理子,森田 洋(北九州市立大学・国際環境工学部),仁科 彰((株)日本触媒)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.6,pp.225−232(2022)

本研究ではメタクリル酸ジエチルアミノエチル(DEAM)をカチオン性モノマーとして,疎水性モノマーをそれぞれアクリル酸ブチル(BA),アクリル酸イソブチル(iso-BA),アクリル酸t-ブチル(tert-BA),メタクリル酸エチル(EMA)とした機能性ポリマーを合成し,アカントアメーバに対する抗アメーバ効果について検討を行った。DEAM/BA(組成比:80/20)が最も高い抗アメーバ効果を有しており,最小殺アメーバ濃度は0.63 wt%であった。またポリマーを構成するDEAMに対して,有効な疎水性モノマーが存在するものの,カチオン性部分と疎水性部分のバランス(組成比)が重要であることが示唆された。本ポリマーの作用機序はプラスマレンマの破壊であることが明らかとなり,汚染ソフトコンタクトレンズ(SCL)を用いた実証試験において,2.5 wt%のポリマー濃度でアメーバの検出が認められなくなったことから,SCLにおけるマルチ・パーパス・ソリューションの殺アメーバ剤としての利用可能性が期待できる。

Key words:
Amebicidal activity(抗アメーバ活性)/Functional polymer(機能性ポリマー)/Acanthamoeba castellanii/MPS(マルチ・パーパス・ソリューション)/Soft contact lens(ソフトコンタクトレンズ).