日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.50,No.3 (2022)

表題:
微生物を利用した有用物質生産
[6]環境微生物を活用した物質変換触媒
著者:
田島誉久(広島大学大学院統合生命科学研究科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.3,pp.129−134(2022)

酵素は一般的な生物代謝反応に加え,環境中の特異な生物から見出された様々な種類の特徴的反応を触媒するものもあり,それぞれ特異性の高い反応を行う。また,その多くの反応は穏やかな条件で進行することから化学的変換に比べて省エネルギーな変換プロセスを構築可能であり,工業的利用が期待されている。しかし,物質変換反応が生物の代謝反応と競合し,基質(原料)や補酵素等が変換反応以外にも利用されるために収率や生産性が低く,変換の効率性に関する課題が残されている。そこで本稿では様々な環境中の微生物やその酵素を活用し,変換系を顕在化させた触媒を構築することで物質変換の効率的を向上させた微生物・酵素触媒について紹介する。

Key words:
Biocatalyst(生物触媒)/Metabolic engineering(代謝工学)/Environmental microorganism(環境微生物).