日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.50,No.3 (2022)

表題:
ヨウ素の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化作用(原著論文)
著者:
尾野本浩司,米山光俊,(千葉大学・真菌医学研究センター),浅倉 聡(伊勢化学工業(株),千葉大学・千葉ヨウ素資源イノベーションセンター),松本伸一(日宝化学(株)),海宝龍夫((株)合同資源,千葉大学・千葉ヨウ素資源イノベーションセンター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.3,pp.97−103(2022)

最近,ヨウ素系消毒薬の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2(SARS-CoV-2)に対する不活化効果について報告があった。しかしヨウ素は様々な形態で存在するので,それぞれの不活化能については不明な部分が多い。本研究では,ヨウ素系消毒薬の主要構成成分であるヨウ素,ヨウ化物イオン,複合体ヨウ素(三ヨウ化物イオン,ポビドンヨード)などの異なる形態のヨウ素について,SARS-CoV-2に対する不活化効果を検証した。その結果,ヨウ化物イオンはSARS-CoV-2の不活化作用には関与しないが,これまで考えられていた遊離ヨウ素に加えて,複合体ヨウ素あるいはポリヨウ素が不活化に大きく寄与していることが推定された。

Key words:
Iodine(ヨウ素)/SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)/Virus Inactivation(ウイルス不活化)/PVPI(ポビドンヨード).