日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.50,No.1 (2022)

表題:
食の安全・安心科学−食品製造現場・食品にかかわる微生物汚染とその対策−
[11]アルコール製剤の活用
著者:
原田 裕(サラヤ(株) バイオケミカル研究所 サラヤ微生物研究センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.1,pp.13−17(2022)

本報では,アルコール類の中でも最も広い分野に用いられるエタノールに着目し,食品製造分野における活用例などについて解説するとともに,食中毒,感染症として近年問題となっているノロウイルス対策としてのエタノールの利用,また食品製造と直接は関係ないが,2020年初頭から流行している新型コロナウイルスに対するエタノールの効果についても紹介する。エタノールは殺菌速度が速い,蒸発しやすく残留しない,毒性が低いといった特徴から,食中毒や感染症対策において,手指や器具などの殺菌・消毒剤としてなくてはならない存在となっている。また,ノロウイルス対策としてアルコール製剤が用いられるようになるなど,エタノールの有効性を高める技術も常に向上していることもあり,今後もエタノール製剤が活用される場面はさらに増えていくであろう。

Key words:
Ethanol(エタノール)/Food additive formulations(食品添加物製剤)/Norovirus(ノロウイルス)/COVID-19(新型コロナウイルス).