日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English

日本防菌防黴学会誌

Vol.49,No.6 (2021)

表題:
環境管理による院内(病院)感染防止−最新情報をふまえて−
[5]清掃分野を中心とした環境管理の現状
著者:
嶽本剛平((株)ウィング)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.49,No.6,pp.269−273(2021)

清掃の目的は清潔で衛生的環境を常時維持するために行われる。病院においては患者へ提供する安全な医療行為を担保することにある。それぞれの環境の使用目的に合った清潔度を判断すること,無駄なコストを省く知識(情報)・努力も大切である。今回,諸外国の病院等の医療施設,および日本国内の事務所等のビル管理面での清掃の現状について,日常清掃,定期清掃,および臨時清掃面を中心に解説した。欧米では,病院等での医療施設等での感染症予防対策としての清掃等のスキルは確立され,責任者の意識は高いが,一般的に現場作業員は社会的に恵まれていない移民の人々で占められている場合が多く,そのため指示通りに行うのは難しいと思われた。清掃効果の評価は各清掃資材開発および製造会社内で行われ,共通した評価方法が確立されてないために,カタログ内容では各会社間の清掃資材の評価が出来にくいのが現状と思われる。また,院内感染症を考慮した研修制度が十分確立されることが必要かと思われた。

Key words:
In-hospital cleaning(院内清掃)/Wet cleaning(湿式清掃)/Cleaning materials(清掃資材).