日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.49,No.1 (2021)

表題:
紫外線を用いた水処理技術
著者:
橋口亜由未(島根大学 生物資源科学部 環境共生科学科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.49,No.1,pp.17−25(2021)

紫外線による殺菌や微量汚染物質の分解では,近年紫外線を発するLEDや新規の酸化処理に関する研究等新しい試みがなされている。本稿では,水の紫外線殺菌技術や関連の技術について,①紫外線殺菌に関する最近の研究,②微量汚染物質の分解(直接分解,新規UV/AOP),③消毒副生成物の制御について最新の国際学術誌を中心に研究事例やその課題を解説した。最終的には,近年の研究について以下のようにまとめた。紫外線殺菌では,LEDやエキシマランプの利用が進められており,照射条件や菌種ごとのUV感受性等など考慮すれば実用段階に踏み込める有用な研究が多く進められている。微量汚染物質の分解については,UV/AOPについて多くの研究がなされており,生成ラジカルや共存物質等による分解への影響,処理水の毒性評価が研究の主流となっている。消毒副生成物の制御に関しては,紫外線技術の応用だけではそのリスクの低減が難しく課題が残る。

Key words:
Ultraviolet(紫外線)/Water treatment(水処理)/Advanced oxidation process(促進酸化法)/Disinfection byproducts(消毒副生成物)/UV-LED(紫外線発光ダイオード).