日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.49,No.1 (2021)

表題:
JIS Z 2911:2018かび抵抗性試験方法改正のポイント
著者:
土屋 禎((一財)日本食品分析センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.49,No.1,pp.11−15(2021)

JIS Z 2911かび抵抗性試験方法は,1957年に制定された歴史のある規格(試験方法)であり,これまで幅広い分野で利用されてきた。2018年の改正においては,対応する国際規格の最新版,試験に用いるかびの種類の最新情報,及び読みやすさが考慮された。この規格は,製品群として7種類を対象にしており,それぞれ用いるかびの種類,培養期間など方法が異なるため,複雑な構成となっている。また,かびの発育状況の判定方法については,国際規格に対応した附属書A~Cでは顕微鏡を用いた5又は6段階の評価であるのに対し,附属書以外では肉眼観察のみの3段階評価である。今回の改正において,かびの種類など最新情報が反映されているが,複雑な構成となっている試験方法を,より読みやすく変更されている点は試験実施者のみならず,データを活用する者にとっても有意義と思われる。特に,国際規格に規定されている,試験の「原理」又は「概説」が加えられたことで,試験結果が示す意味についても理解されやすくなったといえる。

Key words:
JIS Z 2911/かび抵抗性試験方法/ISO 846/Evaluation of the action of microorganisms.