日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.48,No.12 (2020)

表題:
尿沈渣標本中に出現する顆粒状物質と尿路細菌叢との関連について(原著論文)
著者:
佐藤妃映(北陸大学医療保健学部),横田憲治(岡山大学大学院保健学研究科検査技術科学分野),渡辺朱理(徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔機能管理学分野),苔口 進(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科口腔微生物学分野),衛藤友美,髙阪翔士(ユニ・チャーム(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.12,pp.623−628(2020)

健常人の尿沈渣標本中に,ステルンハイマー染色にて青色の顆粒状物質が出現することがある。この物質の成分や出現背景等に関して詳細は明らかとなっていないため,検討を行った。その結果,顆粒状物質は,健常な女性15名中8名(53%)に出現していた。SDS-PAGEによる電気泳動では,15名中11名(73%)に75KDaの単一のバンドを認め,質量分析にてTamm-Horsfall protein(THP)(Uromodulin)と同定された。THPは尿路細菌叢が存在した10名中9名(90%)で検出され,尿路に細菌や真菌が存在しなかった4名中3名(75%)では検出されなかった。また,顆粒状物質が出現していた8名中,THPと尿路細菌叢の両方を認めたのは4名(50%)であった。明らかな傾向を統計学的に証明できなかったが,顆粒状物質は,THPや尿路細菌叢と同時に検出される場合があることから,何らかの自然免疫学的な応答に関与している可能性が示された。今後,検体採取条件を再検討し,この関連性について検証する必要がある。

Key words:
Urinary sediment samples(尿沈渣標本)/Granule-formed material(顆粒状物質)/Tamm-Horsfall protein(THP);Uromodulin(Tamm-Horsfallムコ蛋白/ウロモジュリン)/Urinary tract microbiota(尿路細菌叢).