日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.48,No.11 (2020)

表題:
ここまできている微生物試験迅速化技術
[9]質量分析の技術を中心に
著者:
松山由美子(日本ベクトン・ディッキンソン(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.11,pp.597−600(2020)

この10年ほどで微生物試験が大きく変わった,と言われている。その大きな理由は,質量分析装置の微生物試験への応用である。質量分析の技術が微生物同定に応用できることが1990年代に発表されて以降,ハードウエア,ソフトウエアともに発展,改良が進み,ルーチンの試験で使用されるレベルにまで至った。これにより,遺伝子試験とほぼ同程度の精度で,従来では1日以上を要していたところを数分で同定結果が得られることになり,これが大きく微生物試験の迅速化を進めた。ここでは,質量分析技術の基本原理から最新の応用技術,さらには本技術に関する標準化の動きなども含めて紹介したい。

Key words:
MALDI-TOF MS/Microbial identification/Rapid test.