日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.48,No.10 (2020)

表題:
環境管理による院内(病院)感染防止−最新情報をふまえて−
[1]はじめに
著者:
坂上吉一(元 近畿大学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.10,pp.553−557(2020)

院内(病院)感染防止は,人命を守る立場で重要である。その感染防止の取り組みについては,従前から種々検討されているが,依然として,問題の多い課題である。感染防止は,病院だけでなく,高齢者介護施設においても重要な課題である。病院の入院患者および高齢者介護施設等の入居者は,健常人に比べ免疫能が低下した易感染患者,あるいは,ある程度免疫能が低下した人々で,感染リスク面で,より注意が必要である。本講座では,院内感染防止を主として環境管理面から進めることについて解説する。テーマは,「高齢者介護施設における感染対策」,「感染制御における耐性菌と環境管理」,「院内感染事例」,「清掃分野を中心とした環境管理の現状」,および「歯科領域での環境管理の現状」の5つの題目である。なお,「はじめに」の項では,院内感染防止について,院内等で問題となっている薬剤耐性菌の現状,ならびに現在世界中で大流行(Pandemic)が問題となっている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を中心に若干紹介する。

Key words:
Prevention of nosocomial infection(院内感染防止)/Compromised host(易感染患者)/Antimicrobial resistant bacteria(薬剤耐性菌)/SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)/Pandemic(大流行).