日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.48,No.9 (2020)

表題:
緊急特集版 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)~防菌防黴の観点から~
4.インフルエンザの予防とマスクの感染予防効果
著者:
小林寅喆(東邦大学看護学部 感染制御学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.9,pp.473−475(2020)

インフルエンザは,一般的には冬に流行するインフルエンザウイルスによる感染症である。感染経路は主に飛沫感染と接触感染であり,感染対策はウイルスを排出する可能性がある感染者が飛沫を拡散させないためにマスクを着用する飛沫感染対策と,ヒトの手や環境に付着しているウイルスが手指を介して体内への侵入を防ぐための手指消毒,手洗いの接触感染対策である。マスクはほこりや花粉などの粒子が体内に侵入しないように用いるガーゼマスクと主に医療現場で用いられる不織布のサージカルマスクに分類され,感染対策としてのマスクは会話や咳,くしゃみなどから発生する飛沫を外に出さないよう,マスクで被い限りなく飛散させないようにすることが目的である。また,麻疹や結核など空気感染対策にはN95マスクを使用する。ただし,使用にあたっては相当なトレーニング(チェック)が必要である。マスクは基本的には,医療現場の特殊な環境を除き,感染者が着用するものでありマスクの感染予防効果を過信してはならない。

Key words:
Influenza(インフルエンザ)/Droplet infection(飛沫感染)/Surgical mask(サージカルマスク)/N95 mask(N95マスク)/Fit-test(フィットテスト).

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