日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.48,No.9 (2020)

表題:
ここまできている微生物試験迅速化技術
[8]リアルタイムPCRによる細菌および真菌の迅速検出
著者:
長島茂幸(ザルトリウス・ジャパン(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.9,pp.421−424(2020)

細胞治療製品が微生物によって汚染された場合,患者に致命的な結果をもたらすこともあり得るため,患者に製剤を投与する前に微生物品質管理の結果を得ることは極めて重要であり,培養を用いない迅速アッセイ法の需要が急速に拡大している。そのため,高感度で幅広い微生物を検出できるシステムの包括的なバリデーションが行なわれた。このシステムはDNA抽出キットと,それに続くBacteria/Fungi/Mycoplasma検出キットを用いるリアルタイムPCRで構成されている。in silico塩基配列アラインメント解析では,Bacteria検出キットおよびFungi検出キットでそれぞれ94%以上および37%以上の細菌・真菌を検出できることが示唆された。さらに細菌および真菌のPCRアッセイの検出能力が公定書で定められた培養法と同等であることを示した。
また,代表的な細胞株(Jurkat細胞,HPBMC細胞,CHO細胞)を用い,高密度の細胞バックグラウンドが存在しても本キット類により微生物汚染を検出できることが確認された。

Key words:
Sterility Test(無菌試験)/Rapid Test(迅速検査)/Real-Time PCR(リアルタイムPCR)/Equivalency(同等性).