日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.48,No.7 (2020)

表題:
微生物研究におけるメタボロミクスの活用展開
著者:
山領佐津紀(ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.7,pp.311−317(2020)

「メタボローム」は,アミノ酸やヌクレオチド・糖・脂質などを含む低分子量(概ねMW1000Da以下)代謝物質の総体として,個体の表現型を最もよく表す指標であり,動植物の組織や血液,尿などにおける代謝プロファイルから生体内で起こる多様な生理学的,病理学的な現象についての有用な情報が得られる(「メタボロミクス」はその代謝物質の構成やその濃度を測定した情報をもとに検体,または生体内での変化や原因を究明する分野である)。微生物は代謝研究のモデル生物として数多くの研究が行われており,メタボロミクスにおいてもその黎明期からの主要な研究対象である。オミクス解析が一般的に用いられ,“ポストゲノム時代”とも呼ばれる現在では,メタボロミクスを他のオミクスと組み合わせて多層的システムの一部として代謝を捉えるアプローチが行われている。ここではヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社が展開しているメタボロミクスサービスを中心に微生物研究への応用を紹介する。

Key words:
CE-MS/メタボロミクス/微生物/腸内細菌叢.