日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.48,No.5 (2020)

表題:
褐色腐朽メカニズム研究の最新の知見
著者:
近藤里沙子(東京農工大学 連合農学研究科),築田理華子(東京農工大学 農学府),吉田 誠(東京農工大学 農学研究院)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.5,pp.243−245(2020)

日本では古くから木材を様々な建築物に利用してきており,現在でも戸建て住宅の多くは木造である。さらに近年,大規模建築物にも木材を使用することが可能となったことや,土木分野における木材の利用拡大などの流れを受け,木材を利用する上での品質管理がますます重要性を増している。木材はそれを利用する過程において様々な劣化を受けるが,その中の主要な劣化の一つが腐朽である。腐朽とは木材に顕著な強度低下を引き起こす真菌類による劣化を指し,その原因真菌類が木材腐朽菌である。本稿では,はじめに木材腐朽菌の中でも特に激しい腐朽を引き起こす真菌類である白色腐朽菌と褐色腐朽菌について,その腐朽の特徴や腐朽機構について概説する。さらに,我が国の木造建築物の最も主要な劣化原因の一つである褐色腐朽菌により焦点をあて,腐朽メカニズム研究の最新の知見について紹介する。

Key words:
Wood rotting fungi(木材腐朽菌)/White-rot fungi(白色腐朽菌)/Brown-rot fungi(褐色腐朽菌).