日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.48,No.2 (2020)

表題:
LC-MS/MSによる米飯およびチャーハン中のセレウス菌嘔吐毒,セレウリド試験法(原著論文)
著者:
鎌田洋一(甲子園大学,岩手大学),藤田和弘,福沢栄太(一般財団法人日本食品分析センター),佐藤信彦,佐野勇気,橘田 規,高橋洋武(一般財団法人 日本食品検査),大城直雅,岡田由美子(国立医薬品食品衛生研究所),五十君靜信(国立医薬品食品衛生研究所,東京農業大学),白藤由紀子,山﨑朗子(岩手大学),梶田弘子(岩手県食肉衛生検査所),上田成子(女子栄養大学),奈賀俊人(東洋食品工業短期大学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.2,pp.49−56(2020)

市販の合成セレウリドを定量用標準品として用いてLC-MS/MSによるセレウリド試験法を検討した。米飯およびチャーハンからメタノールおよびメタノール:水(7:3)を用いてセレウリドを抽出し,ポリマー系カートリッジカラムで精製した。LCによるセレウリド分離は,C18カラムを用い,ギ酸アンモニウム含有ギ酸溶液とギ酸アンモニウム含有メタノール溶液で実施し,MS/MSにおけるイオン化は,ESIポジティブモードで実施した。2試験室における試行から,米飯およびチャーハンとも良好な真度,併行精度,および室内精度が得られた。米飯に接種した菌はセレウリドを産生し,本報告で記述した方法で,高濃度のセレウリドを検出できた。開発したLC-MS/MSによるセレウリド試験法は,嘔吐型セレウス菌食中毒の原因食品におけるセレウリドの検出,また,一般市販米飯やチャーハンのセレウリド汚染の調査とその安全性を検証する方法として,今後用いることができると考えられた。

Key words:
Bacillus cereus emetic toxin(セレウス菌嘔吐毒)/Cereulide(セレウリド)/Cooked rice(米飯)/Fried cooked rice(チャーハン)/LC-MS/MS(液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析装置).