日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.47,No.5 (2019)

表題:
釜揚げしらす由来分離株の系統解析および釜揚げしらすとその分離株に対する紫外線LEDの影響(原著論文)
著者:
安友優子,菅野由佳,白井昭博(徳島大学大学院社会産業理工学研究部生物資源産業学域),葉田敬子(WDB(株)),田端京子(徳島大学生物資源産業学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.47,No.5,pp.191−198(2019)

紫外線LED(280 nm)を使用し,徳島県産釜揚げしらすおよびその分離菌への殺菌効果を検討した。釜揚げしらすのパッケージ品を対象とし,一般細菌,ブドウ球菌属,大腸菌群,サルモネラ属菌,ビブリオ属菌の各選択培地上に生育する細菌の生菌数を決定した。標準寒天培地上で生育した50株および卵黄加マンニット食塩培地で生育した10株について16S rDNAの部分塩基配列を用いた系統解析を行った結果,Psychrobacter sp.,Kocuria rhizophilaStaphylococcus sciuriMacrococcus caseolyticusと近縁な分類群の細菌が優占していた。上記4菌種と近縁な分類群からそれぞれ1株ずつ選択した菌株に対しUVの照射を行った結果,全ての菌株で3秒間の照射処理により99%以上の殺菌が可能であることが明らかとなった。また,釜揚げしらすに直接UVを60秒間以上照射した結果,無照射試料の保有一般細菌数と比較して,有意に生菌数が減少した。さらに,48時間冷蔵保存後においても,保有細菌の増殖を抑制することが判明した。

Key words:
Ultraviolet light emitting diode(UV LED)/280 nm/Boiled sardine(釜揚げしらす)/Additive-free(無添加)/Non-thermal(非加熱)/Bactericidal effect(殺菌効果)/Growth suppression(増殖抑制).