日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.47,No.1 (2019)

表題:
環境水からのレジオネラ・宿主アメーバ検出とその制御[7]
レジオネラ属菌の同定法とSBT(Sequence-Based Typing)
著者:
前川純子(国立感染症研究所 細菌第一部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.47,No.1,pp.29−35(2019)

レジオネラ属菌は現在60菌種が知られており,360nmの長波紫外線を照射すると,青白色あるいは暗赤色の蛍光を発する菌種群がある。レジオネラ症の主要な起因菌であり,また環境からも最もよく分離されるLegionella pneumophilaの1〜15の血清群,およびいくつかの菌種については,免疫血清を用いたスライド凝集法で同定可能だが,レジオネラ属菌かどうかの同定,L. pneumophilaの菌種同定には特異的PCRが有用である。多くのレジオネラ属菌の菌種同定には,16S rRNA遺伝子,またはmip遺伝子の塩基配列決定が必要である。 レジオネラ症患者が発生した場合,感染源特定のため,患者検体から分離された菌株と周辺環境から分離された菌株との遺伝的同一性の確認に用いる遺伝子型別法として,パルスフィールドゲル電気泳動法が汎用されているが,L. pneumophilaについては,デジタルデータが得られ,異なる時期や場所で行われた検査結果の比較が容易なSBT (Sequence-Based Typing)法が,近年普及してきた。

Key words:
Sequence-Based Typing / Legionella pneumophila / Legionella species.