日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.46,No.9 (2018)

表題:
入浴施設の拭き取り検体におけるレジオネラ属菌生菌迅速検査法の評価(短報)
著者:
吉田孝子,河口友理,辻本真弓,橋田みさを,内田美枝(奈良県保健研究センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.46,No.9,pp.401−405(2018)

近年,レジオネラ属菌において,生菌のみを検出する迅速検査法LC EMA-qPCR法が開発された。浴槽水についての有効性は報告されているが,拭き取り検体については知見に乏しい。そこで今回,拭き取り検体32検体について,LC EMA-qPCR法と培養法,及びLAMP法を比較し評価した。LC EMA-qPCR法の培養法に対する感度は93%(13/14),特異度は67%(12/18)であった。培養法陽性,LC EMA-qPCR法陰性は1検体(20CFU/プース)のみであった。LAMP法の培養法に対する感度は50%(7/14),特異度は67%(12/18)であり,培養法で10~50 CFU/プースの低菌数検体5検体全てでLAMP法陰性となった。さらに,高菌数検体でもLAMP法陰性となった検体が存在した。LC EMA-qPCR法は,LAMP法より検出率が高く,良好な感度が得られた。また,培養法に対するLC EMA-qPCR法の定量値の比較ではR2=0.7457と高い相関を示していた。LC EMA-qPCR法は,拭き取り検体についても,培養法の結果を良好に反映する方法であった。

Key words:
Legionella spp.(レジオネラ属菌)/LC EMA-qPCR method(LC EMA-qPCR法)/LAMP method(LAMP法)/Swab samples(拭き取り検体)/Public bath facilities(入浴施設).