日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.46,No.9 (2018)

表題:
室内塵の好温性カビ汚染の傾向(原著論文)
著者:
浜田信夫(大阪市立自然史博物館),岩前 篤(近畿大学建築学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.46,No.9,pp.395−400(2018)

室内塵の好温性カビについて実態調査を行った。大阪府内やその周辺について,2013-2016年に夏の調査を行うとともに,冬との比較を行った。また,地域的違いを調べるために,高知県や沖縄県との比較を行った。好温性カビは,これまで知られていた水回りやエアコンのほか,カーペットだけでなくフローリングなど室内環境のあらゆる部分に,一定数常在していることが分かった。また,Aspergillus fumigatusなどの好温性カビが生育していることが分かった。これらのカビは冬に比べて夏に多く,夏でも暑い年により多く,大阪より多湿である沖縄に多いことが明らかになった。今後地球温暖化が進行し,気温が上昇し,かつ湿度が上昇すれば,大阪などでもA. fumigatusなどの好温性カビが増加する可能性があると思われる。

Key words:
Aspergillus fumigatus/Fungal contamination(カビ汚染)/Humidity(湿度)/Pathogen(病原菌)/Weather condition(気象条件).