日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.46,No.2 (2018)

表題:
食中毒[1] 開講にあたって
著者:
横山佳子(京都女子大学家政学部食物栄養学科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.46,No.2,pp.77−85(2018)

わが国は,環境衛生の向上や食品の製造・流通などにおける衛生管理対策がなされているにもかかわらず,食中毒の事件数,患者数は減少しているとは言いがたい。以前はサルモネラや腸炎ビブリオによる細菌性食中毒が多発していたが,原因食品の衛生管理対策が功を奏して近年減少傾向にある。しかし最近の傾向として,ウイルス性食中毒の増加,2013年に新たに病因物質に追加された寄生虫による食中毒の報告例も今後増加する可能性がある。また外食や中食の利用者が増加していることから,飲食店や仕出屋が原因施設となる食中毒が多く発生している。不特定多数の者が利用する施設における食品衛生管理は重要な課題といえる。また製造現場における食中毒では1度に多数の患者が発生する。化学物質という視点から健康食品による健康被害も見逃せない。本講座では原因施設,病因物質の視点からの食中毒の現状および課題と対策,食中毒防止対策について解説する予定である。

Key words:
病因物質/原因食品/原因施設.