日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.45,No.10 (2017)

表題:
やさしい微生物制御の基礎[20] 薬剤微生物制御 その3
著者:
高麗寛紀(髙麗微生物研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.45,No.10,pp.493−502(2017)

微生物制御技術をこれから学ぼうとする日本防菌防黴学会員の若手技術者に向けた講座「やさしい微生物制御の基礎[20]」,薬剤微生物制御 その3では定量的構造活性相関の手法を用いて第四アンモニウム塩に属するN-アルキルピリジニウム塩をリード化合物として分子設計を行った過程について解説した。特に細菌と真菌の両方に高い静菌活性と広い活性スペクトルを付与する方法及び殺真菌活性を高めると共に溶血毒性や細胞毒性を低下させるための分子設計を合わせて行った結果,ジェミニ型の薬剤である1,4-ビス(3,3’-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ)ブタンジブロマイドの開発に成功した。本講座では薬剤開発の基礎的な手法,MIC,MBC及びMFCの基礎的な測定方法,開発した薬剤の物性,安全性試験データ及び抗菌特性などについて分かり易く解説した。

Key words:
Quaternary ammonium salts(第四アンモニウム塩)/QSAR(定量的構造活性相関)/Drug molecule design(薬剤分子設計)/MBC(最小殺菌濃度)/MFC(最小殺真菌濃度).