日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.45,No.4 (2017)

表題:
微酸性次亜塩素酸水のすすぎによる除菌効果(原著論文)
著者:
加藤頼子,古田太郎,谷口 暢(サラヤ(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.45,No.4,pp.185−190(2017)

食品添加物に指定されている微酸性電解水について,新たに考案した流水評価装置を用いて,すすぎの除菌効果を評価した。大腸菌,黄色ブドウ球菌,ネコカリシウイルスをモデル汚れと混合し,試験板上に均一に塗布して乾燥した。その試験板を装置にセットし,水道水または微酸性電解水を流した後,大腸菌と黄色ブドウ球菌については,試験板を培養して生菌の有無を確認し,ネコカリシウイルスについては,試験板上のウイルスを回収してウイルス感染価を算出した。さらに,各廃液中の生菌の有無とウイルスによるプラーク形成の有無も評価した。微酸性電解水での流水では試験板および廃液からは除菌やウイルスの不活化がされていたが,ナイフ傷を入れたポリエチレン板では生きた大腸菌が残存している様子がみられたため,アルコール除菌剤や次亜塩素酸ナトリウム溶液での除菌工程が必要であることがわかった。

Key words:
Food hygiene(食品衛生)/Slightly acidic electrolyzed water(微酸性電解水)/Rinse water(すすぎ水)/Stainless plate(ステンレス板)/Polyethylene plate(ポリエチレン板).