微生物制御技術をこれから学ぼうとする日本防菌防黴学会員の若手技術者に向けた講座「やさしい微生物制御の基礎[15]」化学的微生物制御 その1では抗菌剤を取り上げた。まず,細菌に対する作用形式(誘導期の遅延,分裂速度の低下,殺菌,溶菌,溶菌酵素誘発及びベシクル生成による細胞破壊)の基礎知識を解説した。抗菌剤の概要を理解するために性状(気体,液体,固体)による分類,製剤形態による分類(水溶液製剤,乳化製剤,徐放性製剤,フロアブル製剤,固定化製剤,固形製剤,無機及び有機担体による担持製剤)及び抗菌剤の由来に基づいた分類(天然物系抗菌剤,化学合成系抗菌剤,溶菌酵素)について解説した。さらに気体殺菌剤と液体殺菌剤について化学構造と抗菌特性(殺菌,殺滅,静菌,増速抑制),毒性,化審法,化管法(PRTR)及び消防法などについて解説した。