日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.44,No.12 (2016)

表題:
アジア・アフリカの感染症動向 Ⅴ.ケニアでの下痢症研究
著者:
一瀬休生(長崎大学アフリカ教育研究拠点)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.44,No.12,pp.643−649(2016)

アフリカの感染症動向,とりわけケニアにおける下痢症研究に関して代表的な疾患であるコレラ,ロタウイルスによる下痢症に焦点を当てて,その研究の歴史的背景,それぞれの下痢症の現状並びに疫学的な変遷について記載した。本稿では1979年に開始されたJICAのケニア中央医学研究所(KEMRI)への医療協力プロジェクトを契機として,ケニアにおける感染症研究が急速に進展していった時代背景やその後引き続き開始した長崎大学熱帯医学研究所のケニア教育研究拠点設立の経緯とケニア拠点で行ってきた研究活動についてにも触れ,アフリカそしてケニアにおけるコレラ流行の現状とロタウイルス下痢症の分子生物学的疫学的解析,そしてロタウイルスワクチンの導入の経緯やそのインパクトなど,現下の下痢症に関するいくつかの課題などについて記載した。

Key words:
下痢症/ケニア/コレラ/ロタウイルス.