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日本防菌防黴学会誌

Vol.44,No.10 (2016)

表題:
青果物/カット青果物の微生物制御 [3]ガス環境(CA/MAP)による制御法
著者:
泉 秀実(近畿大学 生物理工学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.44,No.10,pp.521−528(2016)

収穫後の青果物および一次加工後のカット青果物の品質保持の延長を目的に開発された貯蔵技術に,Controlled atmosphere storage(CA貯蔵)およびModified atmosphere storage(MA貯蔵)がある。CA貯蔵は,低温に加えて,気密性の高い貯蔵庫やコンテナでガス組成(酸素,二酸化炭素および窒素)を人工的に調整した雰囲気で行う貯蔵法で,一方MA貯蔵はModified atmosphere packaging(MAP)とも呼ばれ,プラスティックフィルムのガス透過性と青果物/カット青果物の呼吸により作り出されるガス環境下で行うフィルムの密封包装技術である。一般に,CA/MAPに利用されてきたガス組成は,低酸素(1~5%)と高二酸化炭素(2~10%)であるが,微生物の制御に直接的に影響するガス環境は,高二酸化炭素(>10%)あるいは高酸素(>21%)である。本稿では,筆者らの報告を中心に,CA/MAPによるカット青果物の微生物制御技術の現状について紹介する。

Key words:
Fresh produce(青果物)/Fresh-cut produce(カット青果物)/Microflora(微生物叢)/Controlled atmosphere storage(CA貯蔵)/Modified atmosphere packaging(MA包装).