日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.44,No.3 (2016)

表題:
ナノサーチ技術の開発−走査型プローブ顕微鏡による新しい微生物の迅速耐熱性評価法
著者:
中西弘一(ナノ・マイクロバイオ研究所・中西技術士事務所),小暮亮雅((株)島津テクノリサーチ),桑名利津子,高松宏治(摂南大学薬学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.44,No.3,pp.125−129(2016)

飲料,食品並びに医薬品などの製造では,汚染危害微生物の制御は多くが加熱殺菌で行なわれ,微生物の耐熱性を評価することは微生物制御において非常に重要である。現在その方法は対象微生物の単離,培養,加熱処理操作及びその生残率を微生物のバイオマス単位で求めている。そのため,非常に手間と時間を要し,必要な対応も充分にできないことが多い。ナノサーチ技術は,微生物に対して,細胞にカンチレバーを接触させ,一定深度押し込んで硬さ(ヤング率)から芽胞の耐熱性を推定したり,ある一定応力をかけた状態で加熱し,線膨張率が急激に変化する転移温度から加熱による死滅温度を求め,その転移温度が耐熱性の評価に利用可能な迅速な微生物の耐熱性測定法である。

Key words:
Scanning probe microscope(走査型プローブ顕微鏡)/Heat resistance(耐熱性)/Young’s modulus(ヤング率)/Coefficient of linear expansion(線膨張率)/Transition tenperature(転移温度).