日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.43,No.7 (2015)

表題:
ドラッグデリバリーシステム[9] 農業領域におけるDDS
著者:
石本泰彦(住友化学(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.43,No.7,pp.349−355(2015)

農業領域において,DDS技術は農薬・肥料製剤に広く用いられており,そのほとんどがコントロールドリリース製剤である。このコントロールドリリース製剤に期待される基本的な効果として,①有効成分の総使用量を削減すること,②経済性を付与することおよび③特定の農薬有効成分についてはその物質が持つデメリット,例えば植物への薬害や魚毒性を軽減することが挙げられる。それ以外にも,省力化,有効成分の安定化や有効成分の持つ臭気の抑制など,様々な目的でコントロールドリリース製剤が使用されている。コントロールドリリース製剤の剤型では,マイクロカプセルや徐放性粒剤の2つが特に多く,この2つで全体の8割以上を占めている。本稿ではマイクロカプセルと徐放性粒剤を中心に,それらの溶出制御機構や製法,利用場面などについて紹介する。

Key words:
農業/製剤/コントロールドリリース/マイクロカプセル/徐放性粒剤.