日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.43,No.6 (2015)

表題:
医療関連感染と制御[11] 医療現場における感染制御 3)チーム医療体制で進める制御と将来像
著者:
馬場尚志(金沢医科大学 臨床感染症学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.43,No.6,pp.299−303(2015)

臨床医学のめざましい発展に伴い,質の高い医療を提供するためには,各職種の専門性を結集して患者診療を行う,いわゆるチーム医療が不可欠となってきた。感染制御においても,医療のあらゆる分野を対象とするほか,業務も多岐にわたるため,チームによる取り組みは必須と言える。
現在,医療施設の多くでinfection control team(ICT)と呼ばれる組織が活動している。ICTは,医師,看護師,薬剤師,臨床検査技師の4職種と事務職員,滅菌部門や栄養部門の職員などにより構成され,それぞれの専門的な知識や情報を集約・共有して,業務を行っている。また,それぞれの部署のリンクメンバーや,安全管理部門など他の院内チームとの連携も業務の円滑な遂行において重要となる。しかし,何よりも重要となるのは,医療者全体での共通理解や良好なコミュニケーション,信頼関係であり,それを構築することが,真のチーム医療体制,病院としての総合的な感染制御力の向上につながると考える。

Key words:
Infection control team/Infection control nurse/Infection control doctor/Regional network/Antimicrobial stewardship.