日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.43,No.4 (2015)

表題:
微生物制御に関わる基礎的な背景と最新の話題[11] バイオテロ対処としての微生物現場制御
著者:
瀬戸康雄(警察庁科学警察研究所・法科学第三部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.43,No.4,pp.191−200(2015)

炭疽菌,ボツリヌス毒素など,病原性微生物および生物の産生する毒素である生物兵器用剤(生物剤)を意図的に散布して社会を混乱に陥れる行為であるバイオテロが発生した場合,行政は現場対処を実施して被害を最小化する。本講座では,現場対処で重要となる現場検知・除染の概念と現状を概説する。現場検知法に関しては,非特異的方法,免疫化学的方法,分子生物学的方法,分光学的方法,バイオセンサー法を説明し,市販の資機材の性能を詳細に解説する。除染法に関しては,次亜塩素酸塩を用いた湿式酸化法,燻蒸法を説明し,抵抗性の高い炭疽菌芽胞の除染効果について述べる。併せて,新規な現場検知技術および除染技術の開発研究の一部を紹介する。

Key words:
Bioterrorism(バイオテロ)/Biological warfare agent(生物兵器用剤)/On-site counter measure(現場対処)/On-site detection(現場検知)/Decontamination(除染).