日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.43,No.3 (2015)

表題:
医療関連感染と制御[10] 医療現場における感染制御 2)環境,医療器材,医薬品類に関する制御 (2)医療器材及び医薬品類に関する制御
著者:
金光敬二,仲村 究,山本夏男(福島県立医科大学 感染制御学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.43,No.3,pp.143−148(2015)

医療器材による感染の原因の多くは医療器材の不適切な再処理による。しかし,医療器材の種類は多く,大きさ,材質,構造,耐久性,耐熱性,価格などさまざまであり,その再処理の方法も一様ではない。再処理の方法を製造業者が推奨していればいいが,SUDの場合も含め再処理方法は示されていない。医療器材による感染事例をみてみると,不適切な洗浄,消毒,滅菌,保管または製造業者が製品を製造した段階ですでに汚染している場合などあらゆるパターンが報告されている。また,医療器材の廃棄に関しても廃棄物取扱者などが感染する可能性があり整備が必要である。
医薬品の汚染による感染はさらにリスクが高く,特に汚染薬液の静脈内投与により重篤な敗血症を発症する。医薬品の汚染による感染を予防するにはマルチドーズバイアルの使用を禁止し,用事調整を行うことが最も重要である。しかし,それだけでは完全に感染リスクを排除できず包括的な対応が必要になる。

Key words:
医療器材/ SUD /リユース器材/マルチドーズバイアル/用事調整.