日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.12 (2014)

表題:
食品製造環境で問題となるカビ汚染
著者:
高橋淳子(桐生大学短期大学部生活科学科),太田利子(相模女子大学栄養科学部管理栄養学科),高鳥浩介(NPO法人カビ相談センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.12,pp.651−657(2014)

食品衛生法では,食品微生物全般を危害因子としてすべての微生物を対象としている。現実には,食品への危害やそれに伴う健康被害を起こす原因微生物の多くは細菌であり,特に食中毒細菌に焦点があてられている。食中毒に関する病因物質情報をみる限りほとんどが細菌であり,カビを含めた真菌による健康被害は,ほとんどない。さらに,カビ汚染は目視できるため食中毒被害が極めて少ない。しかし食品のカビ汚染は,食の安全・安心からみた場合,多くの問題を有している。そこで,消費者・製造者・食品及び製造環境・食品安全性の立場から食品製造環境で問題となるカビ汚染について,カビと食品の品質にかかわる影響,カビと食品の関係,食品汚染カビの特徴,発生するカビの制御について解説する。

Key words:
Fungal contamination(カビ汚染)/Food processing environment(食品製造環境)/Fungal distribution(カビ分布)/Toxic molds(有毒カビ).