日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.10 (2014)

表題:
医療関連感染と制御[3] 医療関連感染で問題となる病原微生物・感染性因子の制御 (2)ウイルス
著者:
橋本邦生,森内浩幸(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 小児科学分野)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.10,pp.565−571(2014)

ウイルス感染症の中には院内感染対策において特に配慮が必要なものが多い。感染経路,潜伏期間,感染可能期間を理解した上で,患者の隔離やスタッフのマスク,手袋,エプロンによる防護策など,適切な対策を行うべきである。患者の入院時には,潜伏期間内でのウイルスの持ち込みの可能性を探り感染のアウトブレイク時に適切・迅速な対応を取ることができるようにするため,予防接種歴,感染症罹患歴,周囲での流行状況(接触歴も含む),海外渡航歴を把握しておくべきである。
また予防接種が可能なウイルスに関しては,すべての病院スタッフや実習学生の抗体価をチェックし必要に応じ予防接種を行い,スタッフ自身が感染もしくは感染を他の患者に媒介することの無いよう心掛ける。
感染症のアウトブレイク時には,当該病棟の感染対策責任者のみならず,病院の感染対策チームを中心にスタッフ全員が連携して対処する必要がある。 本稿ではまた,水痘,麻疹,ウイルス性腸炎,RSウイルス,インフルエンザなど院内感染対策上特に注意すべきウイルス感染症,および医療従事者等に対し感染血液曝露が発生した場合迅速な対応が必要なウイルス感染症についての各論も述べる。

Key words:
院内感染/ウイルス感染症/感染経路/予防接種/アウトブレイク.