日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.10 (2014)

表題:
感染症の現状と展望[11] 感染症と臨床検査
著者:
山口博之(北海道大学大学院保健科学研究院),秋沢宏次(北海道大学病院検査・輸血部細菌検査室)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.10,pp.537−542(2014)

感染症はいまだに侮れない生命を脅かす大きな危険因子であり,いち早く感染症の原因を捉え,適切な治療に繋げる為にも,微生物検査の果たす役割は極めて重要である。特にグラム染色は,その所見から,かなりの確率で起因菌を正しく推定することができることから,迅速検査の要と言える。イムノクロマト法は大小の病院を問わず最も普及している迅速検査法だが,使用するにあたりいくつかの留意すべき点を理解しておく必要がある。また次世代シークエンサーと質量分析装置MALDI-TOF MAの登場は,微生物検査のあり方をダイナミックに変える可能性を十分に秘めている。そこで本稿では,変貌する感染症に的確に対峙するための迅速微生物検査(グラム染色,イムノクロマト法,次世代シークエンサー,質量分析MALDI-TOF MS)の役割と可能性について焦点を絞り述べる。

Key words:
細菌検査/グラム染色/イムノクラマト法/次世代シークエンサー/質量分析.