日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English

日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.10 (2014)

表題:
MTT法によるアカントアメーバ消毒効果の定量的評価法(原著論文)
著者:
縄瀬寛之((株)シード 開発部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.10,pp.527−532(2014)

分析装置としてHPLCを用いたMTT法によるアカントアメーバ消毒評価法を提案する。アカントアメーバを1/4リンゲル液に懸濁した液を被験試料に接種し,25±0.2℃下で4時間の消毒処理を施した。中和後,培養液にて段階希釈し,各濃度の希釈液を48ウェルカルチャープレートに播種後,4日間(96±2時間)培養した。培養後のアカントアメーバをMTTと反応させMTT-formazanを産生させた。産生させたMTT-formazanはスピンフィルターに回収し,遠心濾過により精製後,メタノールにて抽出した。抽出した試料をHPLCにて検出し,各アカントアメーバ濃度とMTT-formazan面積値から検量線を作成した。得られた検量線は,R2>0.99の良好な検量線であったことから,MTT-formazan面積値から各被験試料のアカントアメーバ生存濃度を算出し,アカントアメーバ減少濃度を求めた。繰り返し評価した結果(N=6),高い再現性を示しており,スピンフィルターによるMTT-formazanの精製・抽出および,HPLCによる検出は試験者の主観を伴わずアカントアメーバに対する消毒効果を定量的に評価できる方法と考えられた。

Key words:
Acanthameoba(アカントアメーバ)/MTT assay(MTT法)/PHMB/Quantitative inactivation evaluation(消毒効果の定量評価).